国外関連者が作成したローカルファイルの使用
当社(日本法人)は、アメリカ子会社(国外関連者)との間で、製造委受託取引を行っています。アメリカ子会社は現地の会計事務所に依頼して、この国外関連取引に係るローカルファイルを作成しています。
当社は、日本の税務調査でローカルファイルの提出を求められた際に、アメリカ子会社のローカルファイルを提出する予定ですが、問題ありませんか。
移転価格事務運営要領2-4によれば、法人は、国外関連者が作成したローカルファイルに相当する書類を、法人のローカルファイルとして使用できる旨が規定されております。よって、貴社は日本の税務調査でローカルファイルの提出を求められた際に、アメリカ子会社が作成したローカルファイルに相当する書類を、貴社のローカルファイルとして提出することができると考えます。
ただし、アメリカの会計事務所が作成した英語で記載した文書であり和文翻訳が必要と考えます。また、対象事業年度の申告書を提出する際に利用可能である最新の情報に基づいて作成されたものであるのか、日本の移転価格税制に適合している内容であるかの確認が必要になると存じます。
そのため、税務当局に提出する前に、ローカルファイル記載内容を確認し、実際の取引状況と乖離がないかなどについて専門家にレビューを依頼いただくことをお勧めします。
なお、租税特別措置法66条の4で、法人が国外関連者との取引を行った場合には、①国外関連取引の合計金額(前事業年度)が50億円以上又は②無形資産取引の合計金額(前事業年度)が3億円以上である法人は、その国外関連取引に係るローカルファイルを確定申告書の提出期限までに作成又は取得し、保存しなければならないとされ、税務調査において、調査官から提示又は提出を求められた場合、その求められた日から45日を越えない範囲に調査官から指定された日までに提示又は提出することとなっています。
回答者:十河