移転価格調査に対する調査官の対処について

海外子会社の利益水準 (移転価格税制)

当社は電子部品メーカー向け部品製造装置の研究開発及び製造を行っており、その製品には当社保有の特許10数件が実施されています。一方、海外販売子会社は当社製品の設置や保守(故障時対応を含む)をユーザーに提供しており、それが製品販売に貢献しています。
現在、当社に対して移転価格調査が行われていて、調査官から「海外販売子会社の営業利益率は適正利益率を15ポイント上回っているが、この部分は貴社の研究開発及び特許に原因がある。したがって、貴社から海外販売子会社に所得が移転している。」旨指摘されています。
どのように調査官に対応したらよいでしょうか。

電子部品製造メーカー 経理部

先ず、調査官に貴社が行う本製品の研究開発のどの部分が、また、貴社が保有するどの特許のどういう部分が海外販売子会社の高い営業利益率に結び付いているのか具体的な説明を求めます。次に、その説明内容について調査官と徹底した議論を行い、更に、海外販売子会社が行っている本製品の導入支援及び保守に海外販売子会社の超過収益の源泉がある、ということを調査官に丁寧に説明する必要があります。

回答者:日本国税理士 萩谷